遺言書作成
- 遺言書って必要なの?
- 必ず必要ではありませんが、作成する価値のある遺族への手紙と考えてください。
特に「うちはお金がないから関係ない」「うちは兄弟仲がいいから」と考えていると意外に
相続で揉めたり、これまでの良好な関係が崩れる事があります。
それらを防ぐために必要不可欠であると考えてください。 - 遺言書を作成するのに時間はかかりますか?
- 早ければ、一ヵ月程度で作成することが可能です
まずは、大まかなお話を聞かせて頂きながら、財産状況を把握しながら原案を作成します。
逆に、ゆっくりと様々な要素を考えながら、作成することも可能です。 - 遺言書に遺族へのコメントを加えてもよいでしょうか?
- 一定の書式を守られているのであれば、どのような文言も可能です。
例えば「兄弟仲良く暮らすように・・・・」「お墓は、○○石材店でお願いします」というような
法的効力のない付言事項を家族へのメッセージとして記載される方もおられます。 - 遺言執行人とは?
誰でも執行人になれるの? -
遺言に記載されている内容を確実に実行してくれる人となります。
不動産の名義変更・預金口座の管理や解約・証券口座の管理や株式の売却をしながら各相続人
に相続財産を的確に分配することが、執行人の役割です。執行人には、弁護士等の法律の専門家以外に相続人のおひとりがなるケースもあります。
- 遺言にはどんな種類がありますか?
- 遺言書には以下の3種類があり、その特徴や作成方法が異なります。
遺言書には3つの種類がある
遺言書には以下の3種類があり、その特徴や作成方法が異なります。
それぞれのメリット・デメリットについても、きちんと理解しておきましょう。
- すべて自分で作成する
自筆証書遺言 - 公正証書として作成する
公正証書遺言 - 内容を秘密にしておきたい
秘密証書遺言
1.自筆証書遺言
ひとことで言えば、自分で作成する遺言書のこと。
自筆証書遺言によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付、氏名を自筆で記載し押印しなければなりません。
パソコンやワープロなどによるものは無効となります。
- メリット
- 作成に費用がかかりません。いつでも作成できます。
- デメリット
- 様式不備により無効とされる可能性があります。
例えば、法律は2人以上のものが同一の書面で遺言をすることを禁止しています。
また、日付を「昭和41年7月吉日」とした場合について、日付の記載を欠くものとして無効とした判例があります。 - 遺言者の生前・死後を問わず、作成した遺言書が盗難の被害にあったり紛失したりする可能性があります。
また、遺言書を作成していても、遺言者の死後、遺言書が発見されないおそれがあります。 - 自筆か否か、つまり遺言書の筆跡が遺言者のものかどうか争いが生じることがあります。
- 検認手続が必要になります。
遺言書の保管者または遺言書を発見した相続人は、被相続人の死亡を知った後、家庭裁判所に遺言書を提出して、
検認を請求しなければなりません。
検認手続を怠ると、5万円以下の過料の制裁があります。
2.公正証遺言
公正証書遺言とは、その名の通り、遺言書を公正証書にして公証人役場に保管してもらう方式です。
公正証書によって遺言をするには、証人2人の立会いのもと、遺言者が公証人に遺言内容を説明して公証人が書面化して読み聞かせ、遺言者と証人がその書面が正確であることを確認して署名・押印し、さらに公証人が署名・押印しなければなりません。
- メリット
- 保管が確実。
遺言書の原本は、公証役場に保管されるため、遺言書を破棄されたり、内容を改ざんされたりする恐れがありません。 - 検認手続が不要。
- 自書する必要はありません。
- デメリット
- 費用がかかります。
(遺言の目的となる財産の価額に応じて法令で手数料が定められています) - 証人2名が必要です。
3.秘密証書遺言
遺言を誰にも見られたくない、公証人や証人の前で読み上げられたくないという人には、秘密証書遺言といった方法があります。
秘密証書によって遺言をするには、遺言者又は第三者の書いた遺言を封筒に入れて封入して、遺言に押印したのと同じ印鑑で封印し、証人2人の立会いのもと公証人に遺言として提出し、公証人が所定の事項を封筒に記載したうえで、公証人、遺言者及び証人が署名・押印しなければなりません。
- メリット
- 署名することができれば、その他の内容を自書する必要はありませんから、全文を自筆で作成する自筆証書遺言よりも負担が減ります。
- 遺言の内容を秘密にすることができます。
- デメリット
- 費用がかかります。
- 証人2名が必要です。
- 秘密証書遺言は自分で保管するため、紛失・盗難の恐れがあります。
- 検認手続が必要です。
相続する権利のある人「法定相続人」とは
「親族」だからといって、全員に相続の権利があるわけではありません。 亡くなった人との関係で相続の権利が発生する「法定相続人」が法律によって定められています。
-
- ・相続する権利のある人は、民法により定められている。
- ・配偶者は常に相続人となる。
- ・相続人の組み合わせで法定相続割合が定められている。
- ・相続人によっては、遺言書の有無・中身にかかわらず最低限の取り分(遺留分)が保障されている。
- ・法定相続分割例
法定相続人 | 法定相続分 | 最低限の取り分(遺留分) |
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配偶者+子 | 配偶者1/2 子1/2 |
配偶者1/4 子1/4 |
配偶者+父母 | 配偶者2/3 父母1/3 |
配偶者2/6 父母1/6 |
子(配偶者)のみ | 子(配偶者)全部 | 子(配偶者)1/2 |
配偶者+兄弟 | 配偶者3/4 兄弟1/4 |
配偶者1/2 兄弟なし |
※子や父母、兄弟が複数いる場合は、その人数で均等に分ける
遺産分割協議での注意点
遺産分割協議でもめやすいポイントがいくつかあります。心当たりのある方は、早めに対策を立てておきましょう。
トラブルが起こりやすいパターン | トラブルの理由 | 対策 |
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財産が不動産ばかり | 分割するのが難しい |
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特定の人が同居・介護をしていた | 同居・介護の貢献分を遺産分割に反映することが難しい |
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相続人が複雑 (連れ子のいる再婚、独身など) |
他の法定相続人にとって思いがけない相続権が発生することがある |
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